(3)通信事情の良否に起因する事態 通信事情が不安定な国・地域との通信においては、繰り返し相手方のシステムへのアクセスを試みても、通信ができないという事態が生じるおそれがある。 (注)EFTにおける対処事例 海外の銀行との間において資金移動(EFT:Electronic Funds Transfer)を行うことがあるが、通信事情が不安定な国・地域との間においては、TELEXなどで支払指図を発信しても通じない場合がある。 このため、多くの銀行は外国送金における顧客との約款において、銀行の不可抗力に起因する電信の遅延、未着、誤謬等に基づくすべての結果に対して、責任を負わないことを規定している。 (4)メ−ルボックスでの事故への対応EDI取引当事者の住所地(国)とメ−ルボックスの所在地(国)とが異なるケ−スにおいて、メ−ルボックスに伝送されたメッセ−ジに事故が発生した場合、当該事故の処理(紛争の解決)をどのようにするのかという問題が生じることが想定される。 (注)メ−ルボックスでの想定事故事例 A国の企業X社では、同国内においてEDI取引をすることを計画し、その通信処理をB国所在の国際VANに委託している。このようなケ−スにおいて、B国所在の国際VANのメ−ルボックスに伝送されたメッセ−ジに事故が発生した場合、A、Bいずれの国の法令を適用して当該事故の処理(紛争の解決)をすることになるのかが問題となる。
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